こんにちは。もりしーです。

今回はサブスクリプションサービス(定期購入を前提として利用するサービスの総称)に関する本を読みましたので、記事のテーマにしてみました。

僕やみなさんが思っている以上に、現代の日常生活にはサブスクリプションが溢れています。僕が日頃利用している該当するものについて、列挙してみました。

恋愛系

・マッチングアプリ・・・3,480円/月額(現在はpairsを利用)

情報系

・kindle unlimited  ・・・980円/月額

・日経新聞 電子版 ・・・4,200円/月額

・news picks ・・・1,500円/月額

・dマガジン ・・・400円/月額

・オンラインサロン(脱社畜サロン) ・・・3,000円/月額

EC

・amazon prime ・・・400円/月額

他にも月額制のジムに通っていたり、毎月の通信費もサブスクリプションと言えそうですね。

また僕が勤めている会社ではBtoB向けのデータ分析、CRMツールを提供しておりますが、これも導入顧客に毎月利用料をもらうサブスクリプションとなります。

サービスの利用者、また提供者の両方の視点で、本書の要点(一部私見)をまとめました。


  • サブスクリプションを利用するメリット
  • サービス提供者が意識すべきこと
  • 必要なサービスを見極めよう



サブスクリプションを利用するメリット

①通常購入よりおトクになるケースが多い

サブスクリプション サービスの筆頭として、ミレニアル世代に人気の「Netflix」「Spotify」があります。

これまで音楽や映像コンテンツを毎回必要なタイトルのみ借りる「TUTAYA(店舗型)」「TUTAYA ONLINE(インターネット経由でコンテンツを購入)」が主流でしたが、映画に浸りたいヘビーユーザにとっては、月額制の「Netflix」に入った方が断然おトクです。日本でサブスクリプションが広まったのはこの10年以内の出来事ですが、僕がApple musicを初めて使った時は、マネタイズの仕組みが画期的だと思いました。(月額980円はそれまでCDの購入にかけていた費用がバカらしく思えたものでした)

「通常購入の費用 × 利用回数(月間)> サブスクリプション月額費用」となるケースにおいては、通常購入を選択する人は少ないでしょう。


②選択にかける時間と労力を節約できる

効率化が重視される現代において、サブスクリプション は大きなメリットがあります。

これまでスーパーやドラッグストアで購入していた日用品、食料品を取り扱うサブスクリプションが続々と増えております。

食材の定期宅配サービスのオイシックスは、現在「ミールキット」が人気で、利用者が増えています。ミールキットは1つの献立に必要な食材がひとまとめになって送られてくる為、スーパーに行って各コーナーで食材を集める時間を節約でき、かつしっかりと料理を作るプロセスも味わえる事が好評となっています。


③意思決定の回数を減らせる

現代人は日常的に様々な場面で選択・決定を求められます。特に多忙なビジネスマンや主婦にとって負担であり、小さな意思決定が積み重なる事がストレスにも繋がります。サブスクリプションでは「最初の1回」のみ購入の判断をすれば良い為、毎回購買の判断を迫られる事はありません。


サービス提供者が意識すべきこと

①目先の売上よりも既存顧客のケアに力を入れる

短期的な売上目標を達成する為には新規顧客の獲得を重視しがちですが、サブスクリプションの世界では「既存顧客にいかに快適に継続利用してもらうか」がKPIの一つになります。

チャーンレート(解約率)を下げるには、カスタマーサクセス(顧客の目的が達成される事)をサポートして有益である事を実感してもらう必要があるという事です。本書ではアドボカシー・マーケティング(短期利益にとらわれず顧客の利便性を追求する事で、長期的利益に繋げる)というキーワードでも表現されています。


②「ファネル」の概念を捨てる

googleの著名なエバンジェリストが2015年の公演で「マーケティングファネルは死んだ」とスピーチしたそうです。一般的なファネル(認知→見込み→育成→購入)の問題点として、下記の問題点があります。

・見込み客が購入まで一直線に進んでいるように見えるが、実際は単純でない

・成約後の事を考えていない

特にサブスクリプションでは、既存のファネルを改良したフレンチホルン(認知→見込み→育成→購入→育成して契約更新→既存顧客のアップセル→顧客の口コミで新規顧客を創出→ファネルに戻る→)という循環の仕組みが必要との事です。


③顧客との信頼構築を重視する

本に書いてあった中で特に共感したのが、解約には快く応じるべきという部分です。

解約には快く応じる事でサービスへの信頼が深まり、またいつか利用したいと思ってもらう事が重要です。

月額制のマッチングアプリなどでよく見られるのが、解約画面がわかりにくいインターフェイスになっている事です。マッチングアプリの特性として「アプリでパートナーができる→解約→別れてしまった→一定期間ののち、アプリを再開」という事はよくあるので、1度解約したマッチングアプリを再開するケースを取りこぼし、別のサービスに顧客を取られる事は、不親切なインターフェイスのリスクであると思います。


必要なサービスを見極めよう

このように沢山のメリットがありこれからサービス提供の主流となり得るサブスクリプションですが、 再び利用者側の立場を考えた時、継続的に課金が発生する為ムダなサービスを利用しないよう注意する必要があると考えています。


・月額費用に相当する活用ができているか、毎月見直す

サブスクリプションはとてもナチュラルに日常に溶け込んでしまいライフスタイルの一部となる為、利用している事を意識させず「ある事が当たり前」の状態になる事が多いです。当たり前を疑う作業は定期的にしないと、どんどん定額課金する対象が増えてしまうでしょう。


例えば僕は「日経新聞 電子版」は解約してもいいかもしれないと悩んでいるところです。

「新聞だから取って当たり前」という発想ではなく「newspicksでも足りるのではないか」「より定額で信頼のできる媒体があるのでないか」という考慮はしても良いと思います。(インターネットにおいては一次情報が重要である、というのは別の問題としてあります。)


・有料版を使う必要があるか見直す

基本は無料で利用でき、一部の有料会員の収益によって成り立つサービスを「フリーミアム」と言います。例えばマッチングアプリの大手tinderでは、女性とマッチングして会話するまでが無料で行えます。通常はプロフィール登録まで無料でできるものの、メッセージ交換が有料の為実質課金を強いられます。それでは有料登録をするメリットは何かと言うと、

・LIKE(相手にマッチを希望するリクエストを送る)が無制限にできる

・自分にLIKEしてくれた人が誰かわかる

といった付加価値的なもので、ガッツリ出会いを求める人は有料版を登録しています。


このサービス体系は少し驚きです。マッチングアプリとしての基本の機能は無料で提供しつつ、プラスアルファの要素を有料課金にする、そして一部の有料課金ユーザで成り立っています。

これは聴き放題の音楽配信サービスspotifyにも言えます。彼らは有料版にする事で「曲の間の広告をスキップできる」事をメリットとして訴求しており、これもプラスアルファの機能を課金にしています。

このようにサービス利用者のπを増やす為に、無料である程度利用できるサービスは沢山あります。「ホントに有料版にする価値があるのか。無料版でもいいのでないか」は見直す必要があります。